AIに仕事が奪われる!?そんな不安の声を耳にするようになりました。
2022年11月にChatGPTが公開された頃は、
ちょっと使ったけど間違いも多いし、AIなんて使えないよ
と言っていましたが、ChatGPT-4oが登場し、最近のAIの進歩を目の当たりにすると、
あれ?私の仕事なくならないかなぁ?
と、急に不安になった方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、「AIが最も影響を及ぼす会社の部署トップ8」を紹介します。
ランキングを見ると不安になる方もいらっしゃると思いますが、
この記事では「AIを使う側」になるにはどうすればよいか、具体的な行動指針まで落とし込んでいます。
また、筆者おすすめのAIツールもご紹介します。
この記事を読み終える頃には、
AIを味方にできそう!
と思えるような前向きな記事となっていますので、ぜひ最後までお付き合いください。
- 少子高齢化でもAIによって失業する人が増えるのか?
- AIネイティブ「α世代」がやってくる!?
- AIを使う側になる【5つの方法】
- おすすめのAIツール3選
Visual Capitalistの使い方をまとめたガイドを作成しました。
【知っておくべき】AIに最も影響を受ける会社の部署ランキング
- インフォグラフィックの見方
-
橙色 ・・・ AIの影響度・大
黄色 ・・・ AIの影響度・小
青色 ・・・ AIの影響度・無し
インフォグラフィックを下記の表にまとめました。
部署名 | 影響度・大 | 影響度・小 | 影響なし |
---|---|---|---|
IT (IT) | 73 % | 26 % | 1 % |
Finance (財務) | 70 % | 21 % | 9 % |
Customer Sales (営業) | 67 % | 16 % | 17 % |
Operations (業務管理) | 65 % | 18 % | 17 % |
HR (人事) | 57% | 41 % | 2 % |
Marketing (マーケティング) | 56 % | 41 % | 3 % |
Legal (法務) | 46 % | 50 % | 4 % |
Supply Chain (物流/調達) | 43 % | 18 % | 39 % |
AIの影響を最も受けると言われているのは「IT部門」、続いて「財務部門」そして「営業部門」。
一定のルールに従った「正確性」や「速さ」が求められる業務は、AIに代替される可能性が高いでしょう。
「営業部門」はCustomer Salesとなっていますので、接客やコールセンターがチャットボットに置き換わることが予想されます。
少子高齢化の日本でもAIによって失業者が増加するのか?
日本では人手が足りないって聞くけど・・・
結論から言うと、この日本では一定の業務は縮小していくものの、
AIによって失業者が増加するということは考えにくいと考えます。
大きな理由として以下の2点が挙げられます。
- 「AIによる仕事量の減少」だけで解雇は難しい
- 生産年齢人口(15-64歳)の急激な減少
順番に解説します。
「AIによる仕事量の減少」だけで解雇は難しい
終身雇用を謳い、労働者が「労働契約法」で守られている日本では、AIによる仕事量の減少という理由だけで解雇にするのは困難だと考えられます。
「労働契約法第十六条」では、以下のように書かれています。
- 労働契約法
-
第十六条 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。
ここで言う合理性と相当性の判断として以下の点が争点となるでしょう。
- 配置転換の可能性: 解雇を通知するよりも前に、労働者を他の業務に配置転換する努力を行ったか?
- 再訓練の提供: 労働者に対して再訓練やスキルアップの機会を提供したか?
- 業務の必要性: 実際にその業務が不要になったことが明確であるか?
このことから、労働者本人が再訓練や配置転換を快く受け入れる姿勢を見せている限り、AIによる仕事量の減少だけで解雇にするのは難しいと言えるでしょう。
生産年齢人口(15-64歳)の急激な減少
内閣府ホームページ「人口減少と少子高齢化」の資料によると、生産年齢人口(15-64歳)は、2020年に7,406万人だったのが、2065年には4,529万人と40%近く減少。
同時に、人口も8,800万人程度まで減少するため、全人口に占める生産年齢人口の割合は50%程度まで低下します。
今後も生産年齢人口の増加が予想される米国やインドと違い、日本は確実に労働力が不足するのです。
AIを導入するような前向きな企業であれば、効率化を進めて従業員に更に高度な仕事を求めるでしょう。
AIネイティブ、α世代がやってくる!?
「Z世代」という言葉をよく聞きますが、「α(アルファ)世代」という言葉を聞いたことがありますか?
「α世代」?
実はこの「〇世代」という言葉は世界中で使用されており、
1960年代後半~1980年:「X世代」
1980年頃~1990年代前半:「Y世代(ミレニアル世代)」
1990年代後半~2010年代前半:「Z世代」
英語では「Generation(ジェネレーション)X/Y/Z」と言います
α(アルファ)世代とは?
「α世代」は「Z世代」の後、2010年代前半から2024年に生まれた世代のことです。
- 経済成長期に生まれる
- 史上最長の平均寿命を持ち合わせる
- 最高の教育レベル
- AIネイティブ(後述)
AIネイティブ、α世代の強み
デジタルネイティブと呼ばれた「Z世代」に対して、α世代は「AIネイティブ」と呼ばれています。
α世代の子供たちが社会人になる2035年頃にはAIが更に生活に直結していると考えられるため、α世代にとって、AIは新しい物ではなく、あたりまえに生活の中にあるものになるのです。
AIを使う側になる【5つの方法】
本記事の中盤で、「日本はAIの影響で失業する人は増加しない」と予想しました。
しかし、テクノロジーが急速に進化していく今後、いつあなたの仕事が危機にさらされても不思議ではありません。
しかも十数年後にはAIネイティブの「α世代」もやってくるのですよね
そこで、今から「AI時代でも企業に求められ続ける人材」になるための基礎を固めておくと良いでしょう。
冒頭にも言いましたが、AIに仕事を奪われるのではなく、AIを使う人に仕事を奪われるかもしれないのです。
今からお伝えする「5つの方法」を少しずつでも実践することで企業に求められる人材になることができます。
1. 継続的なスキルアップとリスキリング
継続的なスキルアップとリスキリングを怠らないことが、「AIを使う側になる」ための第一歩です。
スキルアップ ・・・ 自分の能力や知識を拡大し、更なる専門性を身に付けること
リスキリング ・・・ 市場や業務の大幅な変化に適応するために必要なスキルを身に付けること
AI技術は急速に進化しており、現在のスキルだけでは将来的に不足する可能性があります。
World Economic Forumのレポートによると、
今の職務にとどまる労働者の場合、今後5年間に変化するコアスキルの割合は40%であり、
全従業員の50%がリスキリングを必要とする
The Future of Jobs Report 2020
と記述されています 。
リスキリングがどれほど重要かわかりますね
実際に、Googleは新しいスキルを学ぶための「Grow with Google」というプログラムを提供しています 。
継続的なスキルアップとリスクリングは、AIを使う側になる最も効果的な方法の一つです。
2. 創造力と問題解決能力の強化
創造力と問題解決能力を強化することで、AIが苦手とする分野での強みを持つことが可能となります。
AIはデータ処理や、パターン認識に優れている一方、創造的な思考や複雑な問題解決はまだ人間の方が得意とされています。
AIにも苦手な分野があるのですね!
McKinsey & Companyの調査によれば、
創造性、批判的思考、意思決定、複雑な情報処理、きめ細やかな社会的・感情的スキルなどの高度な能力は、AIによって自動化される可能性が低い
McKinsey & Company: Skill shift, Automation and the future of the workforce
とされています 。
実例を挙げると、Appleのデザインチームは、創造力を活かして革新的な製品を次々と生み出しています。
これにより、Appleは市場での独自性を保ち続けています 。
創造力と問題解決能力を高めることで、AIでは代替しにくい分野での価値を発揮し、「企業から望まれる存在」であり続けることができます。
3. デジタルリテラシーの向上
デジタルリテラシーを向上させることが、AIに頼らずに自らの判断力を強化する鍵となります。
情報過多の現代において、「正確な情報だけの収集」「情報を批判的に考える」このような能力は極めて重要です。
AIやインターネットの情報がすべて正しいとは限りませんからね!
デジタルリテラシーの向上は、判断力の強化だけではなく、「ビジネスメール詐欺」や「フィッシング詐欺」などのサイバー攻撃にも防げるため、今後必須の能力と言っても過言ではないでしょう。
Employment Technologiesの報告では、
2021年の求人では92%がデジタルリテラシーを必要としており、デジタルリテラシーが欠如していると、業務の非効率化、競争力の低下、高い離職率、コストのかかるトレーニングなどの問題が生じる可能性がある
Employment Technologies: Over 90 percent of job posting now require this essential workplace skill
と指摘されています。
LinkedInは、ユーザーに情報(メディア)リテラシーを向上させるためのオンラインコースを提供しており、これにより多くのプロフェッショナルが自身のスキルセットを拡張しています 。
デジタルリテラシーを高めることで、自らの判断力と分析力を強化し、AI時代においても重要な人材となることができます。
4. 人間関係の構築とコミュニケーション能力の向上
優れたコミュニケーション能力と人間関係の構築は、AIでは補えない人間らしさを発揮するために重要です。
AIは人間の感情やニュアンスを完全に理解することは難しいです。
確かに、AIが人の感情を読み取ったり「損して得取れ」を行うのは難しそうですね
zetyの記事によると、
調査対象の採用マネージャーの 92% が、ソフトスキルはハードスキルと同等かそれ以上に重要であると回答した。
zety ; Top skills Employment Look For in 2022
と記述されています。
Zapposは、社員のコミュニケーション能力を高めるために、頻繁にチームビルディング活動を実施しています。これにより、社員間の信頼と協力が強化され、企業全体の生産性が向上しています 。
人間関係の構築とコミュニケーション能力を向上させることで、AIでは代替できない価値を提供し続けることが可能です。
5. 適応力と柔軟性の向上
新しいものが数か月後には古くなるという大変革期の今、変化に迅速に適応し柔軟に対応する能力も重要なスキルです。
現代のビジネス環境は急速に変化しているため、適応力の高い人材は価値が高いとされています。
批判的になるのではなく、「やってみる」の姿勢ですね
Harvard Business Reviewの記事では、以下のように報告されています。
適応力のある企業は、より流動的な構造を作り出すことで意思決定を最前線にまで落とし込み、環境の変化を察知する可能性が高い人々が、迅速かつ積極的に対応できるようにします
Harvard Business Review: Adaptability: The New Competitive Advantage
Amazonは、社員に対して迅速に新しい役割やプロジェクトに対応できるよう変化に適応するためのトレーニングを提供しています。
適応力と柔軟性を高めることで、変化の多い現代においても価値のある人材であり続けることができます。
おすすめのAIツール3選
筆者が日々の業務で活用しているAIツール3選をご紹介します。
これらのツールを上手に使いこなすことによって、作業効率が大幅に向上し、創造的な仕事により多くの時間を割くことができるよになりました!
ご自身にも当てはまる場面があれば、どれも無料で始められるものばかりなので、ぜひ試してみてください。
Genspark【検索の革命児】
Genspark(ジェンスパーク)は、従来の検索エンジンとは一線を画す革新的なAI検索ツールです。
キーワードだけでなく、自然言語(おしゃべり言葉)での質問に対して、関連性の高い情報を素早く提供してくれます。
キーワードを変えながら複数のページを時間をかけて探す必要がないため、大幅な時間短縮になります。
・自然言語での質問に対応
・複数の検索を同時に行い情報を統合
・リアルタイムの検索
使用シーン:市場調査、旅行計画、製品開発など複数ページを調査する必要がある場合
例えば自社にAIを導入するための予算取り資料を作成するとします。
会社や上司を説得する材料として、まずは世の中の企業がAIにどれだけ投資しているのか?これをデータとしてプレゼンで示す必要がありますよね。
その場合には、Gensparkに「今後、日本企業がAI関連のツールに投資する予想金額は?」と入力してみましょう。
すると、Gensparkが4つの視点から同時に検索を開始し、まとめてくれました。
一部を抜粋します。
答えが出ましたね。
- エンドユーザー支出額ベースで前年比34.5%の成長
- 生成AIの商用化が本格的に進んでいる。
- 2024年はさらに企業が実験と本番運用に向けて投資を加速している
この事実を基に、
弊社もAIを導入し、製品開発や業務効率化を進めないと競合他社に出し抜かれますよ!
と、数字を示しながら提案することができます。
このGenspark、なんとまだBata版ということで、現在は完全無料で使用できますのでぜひ一度お試しください。
下記ボタンから公式ページにジャンプできます。
Mapify【PDFからYouTubeまですべてをマインドマップで視覚化】
Mapify(マピファイ)は、アイデアや情報を視覚的に整理するためのAI搭載マインドマッピングツールです。
これまでのマインドマップと違うところは入力形式が大幅に増大したことです。PDFや長文、ウェブサイトからYou Tube、画像やオーディオと、ほとんどの形式をマインドマップに即座に落とし込めます。
Mapifyは一番のおすすめです!
・プロンプト、PDF、長文、ウェブサイト、You Tube、画像、オーディオと多様な入力形式
・対話しながら内容を追加できるAIチャット機能
・テキストを画像に変換し、ビジュアル的なマインドマップにできる画像生成
使用シーン:プロジェクト管理、プレゼン資料の構成、アイデア創出、学習・研究など、全体を整理したい場合
先日、EPD(環境製品宣言)について知る必要がありました。
いくつかのウェブサイトを見ても良く理解できなかったため、Mapityで次のようにプロンプト「EPD(製品環境宣言)とは?」と入力し、「テンプレート」を「概念を説明する」に設定。
得た答えがこちら。非常に簡単なプロンプトなのにわかりやすく説明してくれていますし、マインドマップのため情報が頭に入りやすいです。
出力されたマインドマップはもちろん修正や削除も可能。
スタイルで色の変更やフィッシュボーンなどの表示方法も変更できます。
有料版の場合、トピック上で右クリックし「もっとアイデアを出す」や「詳しく教えてください」を選択すれば、AIが追加でトピックを自動で生成してくれるので、短時間で効率的にマインドマップが作成できますよ
このように、何かの題材についてプレゼン資料を作成する場合に、わかりやすい流れで聴衆に理解してもらえる順番と内容かを事前に確認することもできますし、他人に見てもらうときにもページをめくる必要がないので効率的です。
筆者は、最終的に作成したスライドをマインドマップに貼って、会場に向かう電車の中で何度も練習するといった使い方もしています。
Mapifyを使いこなせば周囲から頼られるようになること間違いなし!
Mapifyの始め方
GoogleやAppleのアカウントがあれば数秒で登録可能。お試しで10クレジットまで無料で使えます。
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NotebookLM【探す手間と時間が激減】
NotebookLM(ノートブックエルエム)は、大量のテキストデータから必要な情報を瞬時に抽出し、整理してくれるAIツールです。
- PDFやドキュメントの自動解析
- 関連情報の迅速な抽出と要約
- 質問応答形式での情報アクセス
使用シーン:膨大な量の情報の中から知りたい情報だけを見つけたり、要約したい場合
例えば、先日海外出張の飛行機の予約をしていました。
フライト時間が14時間と長く、プレミアムエコノミーを予約したかったのですが、自社の規定でエコノミーとの差額が20%なのか、30%なのか忘れてしまっていました。
通常であれば
- 社内フォルダーから
- 就業規則の旅費規程を探して
- 対象の箇所を見つける
と3ステップを踏む必要がありますが、私は既にNotebookLMに情報を与えていたため、ブラウザを開いてすぐに回答(結局30%でした)を得てプレミアムエコノミーを予約できました。
また、ISO9001のマニュアルや、研究論文などもNotebookLMにアップロードしているため、
あれなんだったけ?この資料のどこかに記載されていたはずなんだけどなぁ
といった、「探す」という無駄な時間をかなり削減することができました。
NotebookLMはGoogleのサービスのためGoogleアカウントがあればで数秒で登録可能でしかも完全無料です。
本当に便利なので、ぜひお試しください!
まとめ
どうでしたか?
AIを使う人に仕事を奪われるかも~
という不安は解消されましたか?
入力作業やミスをチェックする作業、単純作業などはAIに置き換えられていくものの、これまでにないAIに関連した新たな仕事が誕生するのも事実です。
私たちが知っておくべきことは、
- AIが仕事を奪うではなく、AIを使う人に仕事を奪われるかもしれない
- 日本は生産年齢人口が急激に減少するためAIの助けは必要
- AIネイティブであるα世代が十数年後には社会人となる
そして、企業に必要とされる人材になるために、以下のことを実行するだけです。
- ハルシネーション(AIが生成する誤情報)に気を付けながら毎日少しずつでもAIに触れる
- 古い情報はすぐに役に立たなくなるため、いつも最新の情報を追いかける
- リスキリングをし、変化に対応できるよう学びを継続する
難しく考える必要はありません。
みなさんは「そろばん」や「ポケベル」の代わりに「EXCEL」や「スマホ」を使えていますよね。
新しいものを拒絶せずに「取り入れてみる」だけでいいのです。
パラダイムシフトとなる「AI」を味方に付けてAIを使う側の人材になってください。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。