「日本の給料って、世界と比べて本当に低いのかな?」
「日本は生活に困らないけど幸福度は高いのかな?」
こんな疑問をもったことはありませんか?
結論からお伝えすると、日本の平均年収は諸外国と比較して高いとは言えません・・・。
「なぜ日本の給料は他国と比較して低く、上がりにくいのでしょうか?」その理由を正しく理解することで、私たちには何ができるのかを探っていきましょう。
- 世界各国の平均年収の現状
- 日本の給料が諸外国より低い理由
- 給料だけじゃない!世界の幸福度を国別で確認
- 世界で活躍するためのスキルや戦略
グローバル社会で生き抜く社会人のみなさまに役立つ情報が満載です。ぜひ最後までお付き合いください。
世界の平均年収ランキング
Average Salaries(平均年収)
- 左から国旗、国名、平均年収(アメリカドル)
- 2022年OECD38国中30ヶ国を調査
- フルタイム(正社員)1名あたりの平均
- 購買力平価(PPP)で調整済み
順位 | 国名 | 平均年収 $/PPP調整後 | 平均年収 円/PPP調整後 |
---|---|---|---|
1 | ルクセンブルグ | $78,310 | 10,268,007 円 |
2 | アメリカ | $77,463 | 10,156,949 円 |
3 | スイス | $72,993 | 9,570,842 円 |
4 | ベルギー | $64,848 | 8,502,870 円 |
5 | デンマーク | $64,127 | 8,408,332 円 |
6 | オーストリア | $63,802 | 8,365,718 円 |
7 | オランダ | $63,225 | 8,290,062 円 |
8 | オーストラリア | $59,408 | 7,789,577 円 |
9 | カナダ | $59,050 | 7,742,636 円 |
10 | ドイツ | $58,940 | 7,728,213 円 |
11 | イギリス | $53,985 | 7,078,513 円 |
12 | ノルウェー | $53,756 | 7,048,487 円 |
13 | フランス | $52,764 | 6,918,416 円 |
14 | アイルランド | $52,243 | 6,850,102 円 |
15 | フィンランド | $51,836 | 6,796,736 円 |
16 | スウェーデン | $50,407 | 6,609,366 円 |
17 | 韓国 | $48,922 | 6,414,653 円 |
18 | スロベニア | $47,204 | 6,189,388 円 |
19 | イタリア | $44,893 | 5,886,370 円 |
20 | イスラエル | $44,156 | 5,789,735 円 |
21 | スペイン | $42,859 | 5,619,672 円 |
22 | 日本 | $41,509 | 5,442,660 円 |
23 | ポーランド | $36,897 | 4,837,935 円 |
24 | エストニア | $34,705 | 4,550,520 円 |
25 | チェコ共和国 | $33,476 | 4,389,373 円 |
26 | ポルトガル | $31,922 | 4,185,613 円 |
27 | ハンガリー | $28,475 | 3,733,642 円 |
28 | スロバキア | $26,263 | 3,443,605 円 |
29 | ギリシャ | $25,979 | 3,406,366 円 |
30 | メキシコ | $16,685 | 2,187,737 円 |
世界の平均年収ランキング上位国
世界の平均年収ランキング上位国の平均年収はなぜ高いのでしょうか?
実は日本が参考にできる共通点があるのです。
まずはトップ3の平均年収が高い理由を見てみましょう。
1位:ルクセンブルク ($78,300)
人口約63万人の小国ながら、鉄鋼中心の産業から金融サービスへの転換に成功し、EU内で重要な金融センターの一つとして機能している。
- 投資ファンド業界が特に発達しており、資産残高世界第2位の規模を誇る
- 高度な専門性を持つ金融部門の労働者の需要が高く、高給与に反映
2位:アメリカ ($75,500)
世界最大の経済大国として、多様な産業とテクノロジー産業の発展が、高い平均年収の主要因の一つとなっています。
- テクノロジー産業が盛んで、高給のIT職が平均年収を押し上げている
- 労働市場の流動性が高く、能力主義的な報酬体系が一般的
3位:スイス ($73,000)
金融、製薬、精密機器産業などの高付加価値産業が発達。加えて高い生活コストが、高水準の平均年収につながっています。
- 高度な技術を持つ労働者への需要が高く、給与水準に反映
- 物価が高いため、それに見合った高給与水準が形成
平均年収トップ3の意外な共通点
上位3ヶ国には日本も参考にできる意外な共通点がありました。
- 特定の産業分野
-
ルクセンブルク:金融サービス業がGDPの約25%
アメリカ:S&P500における時価総額の約26%はテクノロジーセクター
スイス:金融業と製薬業が強い。特に製薬産業はGDPの約5.4% - 高度な専門性を持つ人材の需要
-
より高度な専門性が求められる分野は人材が少ないため給料も高くなります。
高収入の人材が集まると物価も上昇。スイスのチューリッヒは世界で最も生活費が高い都市とされています。 - 高度な人材を生み出す教育システム
-
質の高い教育システムにより、高スキル労働者を安定的に供給しています。
例えば、アメリカの高等教育機関への支出はGDPの約2.5%と、OECD 諸国で最も高水準です。
なるほど。
・質の高い教育システムが
・特定の産業分野を生み出し、
・高度な専門性を持つ人材の需要が高まって
・平均年収が上がるのですね。
日本の順位とGDPとの乖離の理由
世界平均年収ランキングにおける日本の位置づけを探ります。
日本の順位と周辺国との比較を行い、さらにGDPランキングとの乖離の理由を分析します。
日本の順位と周辺国との比較
ランキングにおいて日本は第20位。平均年収は$41,500と、トップ3の国と比較すると約1.7倍と大きな差があります。
日本の順位は、アジアの主要国の中では比較的高い位置にありますが、シンガポール(第12位、$59,000)や韓国(第17位、$48,900)に後れを取っています。
さらに、欧米の主要先進国と比較すると、日本の順位は低くなっています。
- ドイツ(第10位、$58,900)
- イギリス(第11位、$54,000)
- フランス(第13位、$52,800)
この結果は、日本が「経済大国」と呼ばれていた時代からの変化を示しています。
高度経済成長期に築き上げた経済力が、平均年収の面では必ずしも反映されていないことが分かります。
GDPランキングと平均年収との乖離(かいり)の理由
日本のGDPランキングと平均年収ランキングの差異を経済構造や労働市場の特徴から分析します。
たしかに日本は世界第4位のGDPでありながら、平均年収ランキングでは20位と大きな差がありますね
この乖離には、以下のような要因が考えられます。
- 経済成長の鈍化: バブル崩壊以降、日本経済は「失われた30年」と呼ばれる長期停滞期に入りました。この間、実質賃金はほとんど上昇せず、むしろ低下傾向にあります。
- 非正規雇用の増加: 正規雇用と比べて賃金水準の低い非正規雇用の割合が増加しています。2023年の統計では、雇用者の約4割が非正規雇用となっています。
- 年功序列型賃金体系: 多くの日本企業で採用されている年功序列型の賃金体系は、若年層の給与を抑制する傾向があります。これが全体の平均年収を押し下げる要因となっています。
これらの要因が複合的に作用し、日本のGDPランキングと平均年収ランキングの間に大きな乖離が生じているのです。
今後の日本は労働市場の構造改革や生産性向上などの取り組みが必要不可欠となるでしょう。
平均年収と幸福度は一致する?
平均年収は国の経済状況を示す重要な指標の一つですが、それだけで人々の生活の質を正確に測ることはできません。
ここでは、平均年収と生活の質の関係性について
- 幸福度指数
- ワークライフバランス
の観点から探ってみましょう。
幸福度指数との相関
幸福度指数は、国連が毎年発表する「世界幸福度報告書」で知られています。
この指数は、
- GDP
- 社会的支援
- 健康寿命
- 人生の選択の自由
- 寛容さ
- 腐敗の認識
などを考慮して算出されます。
興味深いことに、平均年収と幸福度指数には一定の相関関係が見られますが、完全に一致するわけではありません。
- 1位はフィンランド
- リンクから元ページに飛べばランキングも見れます
- 高所得国の傾向
-
ルクセンブルク、スイス、ノルウェーなどの高所得国は、上位にランクインすることが多いです。これらの国では、経済的な豊かさが生活の質の向上に寄与していると考えられます。
- 中所得国の例外
-
コスタリカやブータンなど、平均年収が比較的低い国でも幸福度指数が高い例があります。強い社会的つながりや自然との共生など、金銭以外の要因が幸福度に大きく影響しています。
- 日本の幸福度
-
日本の平均年収は20位と、諸外国と比較すると高くはありませんが、それでも196ヶ国中20位です。しかしながら最新の「世界幸福度報告書」では51位と決して高くありません。長時間労働や社会的プレッシャーなどが影響していると考えられます。
経済的豊かさは幸福度に寄与しますが、それ以外の要因も重要であるということですね
ワークライフバランスの実態
ワークライフバランスは、仕事と私生活の調和を意味し、生活の質に大きな影響を与えています。
平均年収が高い国々でも、ワークライフバランスの実態は様々です。
- 北欧諸国のモデル
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デンマーク、スウェーデン、ノルウェーなどの北欧諸国は、高い平均年収と優れたワークライフバランスを両立させています。これらの国々では、労働時間の柔軟性、充実した育児支援、長期の有給休暇などが法律で保障されています。
- アメリカの現状
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高い平均年収を誇るアメリカですが、ワークライフバランスの面では課題が多いとされています。法定の有給休暇がなく、長時間労働も珍しくありません。
- 日本の課題
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日本も高い平均年収を持つ国の一つですが、長時間労働や過労死問題など、ワークライフバランスの改善が急務とされています。政府は「働き方改革」を推進していますが、その効果はまだ限定的です。
ワークライフバランスの実現には、単に労働時間を減らすだけでなく、生産性の向上、効率的な働き方の推進、そして何より個人の生活を尊重する文化の醸成が必要です。
【グローバル社会】収入アップの現実的な方法
グローバル化が進む現代社会。一昔前は海外旅行に行った時にしか買えなかった商品が、近所のスーパーやネット通販で手軽に購入できるようになりました。
他にもNETFLIXやDropboxなど、インターネットを通じて海外のサービスが身近になっていますよね
我々日本人にとっても国際的な働き方が可能な機会が増えていますので、ここでは、グローバルキャリアについて考えていきましょう。
海外や外資系企業で働くためのスキルと戦略
日本人の勤勉さと会社に対する忠誠心は世界でもトップクラスだと言えるでしょう。
しかし日本はグローバル社会に後れを取っているように見えます。
今、多くの日本人にとって重要なのは、やはり語学力、特に英語力です。
- 必要なスキル
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- 英語力
- ビジネス英語や専門用語の習得が必要です
- 英語での交渉力やプレゼンテーション能力を磨きましょう
- 専門性
- IT、金融、医療など需要の高い分野でのスキルを磨きましょう
- 国際的に通用する資格の習得を検討しましょう
- 異文化理解力
- 海外でのインターンシップや留学経験を積むことをおすすめします
- 英語力
- 効果的な戦略
-
- LinkedIn等のプロフェッショナルSNSの活用
- 英語で自分をアピールしましょう
- 恥ずかしがらずにどんどん投稿し、国際的なネットワーキングを積極的に行いましょう
- 求人サイトの活用
- 未経験や英語は初級という方でも雇ってくれる仕事もありますので日頃からチェックしましょう
- 英語での自己PR力の向上
- 英語で自己紹介や経歴説明ができるよう練習しましょう
- LinkedIn等のプロフェッショナルSNSの活用
海外転職・移住のメリットとデメリット
海外転職や移住には、様々なメリットとデメリットがあります。
メリット | デメリット |
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高収入の可能性 グローバルな経験 英語力の向上 新しい文化との出会い | ビザの問題 家族や友人との距離 言葉の壁 文化の違いによるストレス |
自分の可能性は一気に広がりますが、一方で海外生活に馴染めるかも心配なところです。
年齢が若いうちにワーキングホリデーや留学を経験し、本当に海外生活になじめるのか確認しておく必要があります。
私はワーキングホリデーで1年、現在の会社で1か月ほど海外に住みましたが、まったく問題ありませんでした。
でも無期限の移住だった場合は、ためらってしまうかもしれません。
リモートワークで世界を股にかける働き方
日本にいながら海外企業で働いたり、世界各地を転々としながら働いたりする「デジタルノマド」のような働き方も可能になっています。
- リモートワークのメリット
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- 場所の自由:世界中どこからでも仕事ができます
- 時差を活用した効率的な働き方:現地時間で働きながら日本時間で生活することも可能です
- 多様な働き方の選択:フリーランス、複数の仕事を掛け持つなど、柔軟な働き方ができます
- 必要なスキルと注意点
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- 高度な英語力:リモートでのコミュニケーションは対面以上に高い英語力が求められます
- 自己管理能力:時差のある環境で、自分でスケジュールを管理する能力が必要です
- 税金や保険の問題:国際的な税金の取り扱いや、適切な保険の選択について理解する必要があります
日本人の多くが英語に苦手意識を持っていますが、継続的な学習と実践の機会を設けることで、必ず上達します。
英語の習得には時間がかかりますが、英会話スクール、オンライン英会話、英語のポッドキスト視聴、海外ドラマの原語視聴など、自分に合った学習方法を見つけ、粘り強く取り組みましょう。
グローバルキャリアへの第一歩は、まさに英語学習から始まるのです。
まとめ:データが示す日本の未来と私たちにできること
「隣の芝生は青い」そう感じましたか?
この記事では、世界の平均年収ランキングを通じて、日本の現状と課題、そして私たちのキャリアの可能性について探ってきました。
主要なポイントを振り返ってみましょう:
- 世界の平均年収ランキング
- トップ3は、ルクセンブルク、アメリカ、スイスです。
- 日本は20位と、GDP順位(4位)と比べて低い位置にあります
- 平均年収と生活の質
- 幸福度指数との相関関係はありますが、完全には一致しません
- ワークライフバランスも重要な要素です
- グローバルキャリアの可能性
- 海外や外資系企業で働くためにはスキルUPと戦略が重要
- 海外転職・移住はメリットとデメリットを良く考えて
- リモートワークによる新しい働き方を活用しましょう
この記事から見えてくるのは、単に高い年収を追求するだけでなく、生活の質や個人の価値観を考慮したキャリア選択の重要性です。
グローバル化が進む現代では、世界規模でキャリアを考えることで、新たな道が開けるかもしれませんね
特に重要なのは、継続的な学習とスキルアップです。
英語力の向上、専門性の獲得、異文化理解力の育成など、グローバルに通用するスキルを磨くことが、キャリアの幅を広げる鍵となります。
最後に、平均年収や幸福度指数などの統計は重要な指標ですが、それはあくまでも平均値です。
大切なのは、ご自身の価値観やスキル、そして人生の目標に照らし合わせて、最適なキャリアパスを探求することです。
新しい挑戦への一歩を踏み出す勇気が、あなたの夢のキャリアを実現する鍵となるでしょう。